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2013年5月3日金曜日

第4回マルヤガーデンズアカデミー”セブンイレブンの発展とともに”

こんにちは たぶっちゃんです。

遅ればせながら、第4回マルヤガーデンズアカデミーのレポートです。

昨年までセブン・イレブン執行役員をされていた
山口積恵(やまぐち つみえ)さん
を迎えて第4回マルヤガーデンズアカデミーが開催されました。

昨年、セブン・イレブンははじめて鹿児島に進出ましたが、
瞬く間に多くの店舗が開店し、利用された方も多いかと思います。

巨大としか言いようのないセブンイレブンですが、コンビニエンスストアと
いう小売り形態をイトーヨカドーがアメリカから取り入れて、セブンイレブンを
開店したのは1974年、わずか40年前のことだったそうです。

イトーヨーカドーが新たなコンビニエンスストアという小売システムを取り入れるため、
会社を設立し、その最初の募集で採用されたうちの一人が山口積江さんでした。
山口積恵さん

〇 セブン・イレブンにはいるまで
   フェルトの中折れ帽子で有名だった富士帽子㈱で、アメリカの老舗ブランド ノックスから
  ノウハウを導入して販売するための経産省への手続きを担当していた。
   朝日新聞で、イトーヨーカドーがアメリカから新しい小売り形態を導入するため社員を募集
  するという記事を見て応募した。

〇 セブン・イレブンでの面接
  鈴木敏文(現セブンアンドアイホールディングスCEO)、清水秀雄(元副会長)が面接
  鈴木氏に、採用されたら次の3点は守って欲しいといわれた。
   ・ 3年はやめない。
     新しい仕事は軌道に乗るのに3年はかかる。
   ・ 習い事より仕事を優先
     当時、若い女性は結婚したら仕事を辞めるのが当たり前で、残業よりもお茶やお花、
    お料理といった習い事を優先させていたが、何よりも仕事第一でやって欲しい。
   ・ 新しい会社、いろんな仕事がある、どんな仕事もいとわずやること。
     新しい会社、新しい店舗だから、荷物運びでもなんでも、社長でもやる。

 * イトーヨーカドーから4名程の社員と、新聞広告で募集した中途採用、12名でスタート
    中途採用組:パン会社の営業など多彩だった。
 
〇 セブンイレブンでの仕事”総務”
   文房具の準備から事務方の仕事はなんでもやった。
   採用についても、案内広告、応募用紙の取りまとめ、面接手配から採用手続きまで
   大変忙しかった
  とにかく経費を節減するために考えて、実行 
   ”出ずるを制し、入るを図る”
    利益を出すために以下に売り上げをのばし、いかに費用を抑えるかが課題。
  ・ 出張費用は、イトーヨーカドーの規程に準じていたが、最初の5年は低い額にしていた。
  ・ フィールドカウンセラーという店舗の経営指導する社員(1人で7店舗担当)について、
   創業当時は、男性で自動車を所有している人限定で採用→社用車を買う余裕なし。
   2年ほどして、急激に店舗が増えだすと、自動車を所有している人だけの採用では、
   間に合わなくなった。
     →そこで、いろいろ考えて、上司に次のような仕組みを提案し了解を得て実行した。
       社員に車を買わせる。
       ただし、会社が費用を社員に貸し付けて、3~4年で返済させる。
       貸付金をなるべく少なくするために、軽自動車の会社に電話をかけまくり、一番
      安かったダイハツミラクオールを買わせた。
     →自分で提案し、上司に説明して認めてもらい、実行したことで自信がついた。
  ・ 店舗を回って経営指導しているフィールドカウンセラーに連絡する必要があると全ての
   店舗に連絡して、電話が来るのを待つため不便。
    →ポケベルが発売されたという話を聞いて、導入を提案し、認めてもらった。
     *ポケベルをなくしたら社員が弁償することとしたので、なくす社員はいなかった。
  ・ 上司(清水秀夫(当時フランチャイズをまとめるオペレーション本部長))が、毎朝、
   全店舗の売り上げを朝礼で報告するため、取りまとめて準備していた。
    →店舗が増えてくると、フランチャイズごと、地域ごとに作成するため、早朝に出勤して
     準備をした。
  ・ 当初、アメリカのサウスランド社がノウハウを提供しており、店舗デザイン、品ぞろえ、
   フィールドカウンセラーなどについて指導がきていた。
    当時はインターネットもなく、伊藤忠商事を介して、伊藤忠商事のケーブルを通じて
   電報で指示がくる。その英語の電報を翻訳して上司に報告する。    
   →清水秀雄氏の秘書を10年。
    イトーヨーカドーでは秘書のことを「セクレタリー」という。セクレタリーは、仕事で、
    シークレット(秘密)を扱うが、漏らしてはならないことから、セクレタリー。 

〇 セクレタリー以外の仕事がしてみたい。
  10年セクレタリーをして、ずっとセクレタリーをしたくはなくなった。 
  →どんな仕事があるかいろいろ考えた。
 ・ まずは、自分の仕事を精一杯やる。
   自分の上司は、会社のNo..2で時間をとって欲しいという人は多い。
    何を報告したいのか、それは会社にとってどういうことなのか、怒られることなのか等
   相手の立場にたって、どうするのがいいのか考えてみる。
     →自分は様々な情報を持っている、それを踏まえてアドバイス
       上司の状況やこういう風にもっていった方が良いなどなど
     →助かったと言ってくれる人たちが増えた。
      5年後、10年後にその人たちが、自分が困った時に助けてくれた。
      たとえば、困っていたら取引先に電話をいれてスムーズにいくようにしてくれた。
      男性は、かりをつくると必ず返してくれる。
 ・ やっている仕事で社内で一番になろう。
   上司が必要としている情報、資料は常に準備
   →資料はわかりやすく、ファイリングして、すぐに渡せるようにしておく。
    どう整理したら上司に役に立つか、時間のあるときに考えて整理。
  
〇 新しい仕事に手を上げよう、こうすべきと思ったらいおうと考えながら仕事をした。
 ・ 昭和天皇が崩御したとき、明治天皇の崩御の際、半旗を掲げたという話から、半旗を掲げる
  べきではないかと、上司に提案したところ、任せられた
   →当時の店舗数分、3,500本を徹夜で仕上げてもらった。
 ・ セブンイレブンを多く利用する10代20代といった若者がどんな考えをもっているか、何を
  求めているか知るために、大学生が中高校生の悩みを夜中に電話で聴くセブントークテレ
  フォンを実施して、一月分を取りまとめて、会議で報告していた。
   →セブンイレブンだけではもったいないとして、デニーズやイトーヨーカドーにも提供。
 ・ バレンタインデー&ホワイトデー
   セブンイレブンの利用は男性中心
   10代20代がデパートでホワイトデーのお返しを買うのは恥ずかしい。
   ホワイトデー用の商品を開発し、セブンイレブンに置く。
    1年目 バレンタインデーの広告(かわいい小学生が「僕待ってます」)
    2年目 ホワイトデーの広告(クッキーやマシュマロはセブンイレブンにあります。)

〇 業務改革会議 事務局に手を上げる。
  S61 業務改革会議が設置され、事務局を誰がやるのかとなった。
  会議の発表者のほとんどが自分の所属するオペレーション本部(店舗指導担当)のスタッフ
 だったため、手を挙げて、上司にOKをもらった。
  →発表の内容をコメントを含め、議事録を作成し配布したが、1時間の会議で、8時間かかる
   ため、2回目からヒラの女子職員をアシスタントとして参加させた。 テープ起こしは外部に
   委託し、きちんとした文章にして配布用のものにしてもらう。
    →会議では、叱咤される場面等もあるため、20代の女性社員を会議に出すことにクレーム
      もでた。
  
〇 統括マネージャー
  H2 オペレーション本部で統括マネージャーに昇進
     他部署の人から、いままでどおり仕事をすればよいというアドバイスをもらった。
     1年もすれば統括マネージャーの仕事がどんなものかわかる。
      →昔自分が助けてあげた人がアドバイスしてくれた。自分が助けてもらいたければ、
       相手が助けを求めているときには第一として対応する。

〇 青葉会
  当時、男性向けの勉強会はあったが、女性向けの勉強会はなかった。
  自分たちで立ち上げようということになり、イトーヨーカドーの水越さんがイトーヨーカドー
 社長に、自分がセブンイレブンの鈴木敏文社長に、仕事が終わった5時以降でと説明をして
 了解をもらい、3年以上勤務している女性 で”青葉会”という勉強会を作った。
  →まずは、会社の各部署がどんな仕事をしているのか、各部署の部長にどんな仕事で、どん
   な問題を抱えているのかなど。
  青葉会は発展的解消したが、立ち上げメンバーはイトーヨーカドーやデニーズの執行役員
 となっている。
 
〇 セブンアンドアイホールディングス 女性役員の比率
  セブンアンドアイホールディングスでは、株主総会の後に執行役員の懇親会があり、それに
 参加する役員は約300人
  数年前に鈴木敏文CEOは、投資家を前に役員の2割を女性にするといった。
  →昨年の懇親会で300人中30人が女性だった。
  決裁の場に女性が必要。
  トップが女性の活用に理解があり、積極的に進めている会社に39年勤めることができた。

〇 女性特有の悪い点
  特に若い女性にみられるが、
   ・ 仲良しクラブをつくって群れる→他から情報が入ってこない
     あの人から情報が欲しいと思ったら、隣に座って会話をしながら情報を得る。
   ・ 会議で意見をいわないから男性が議論して決める→後から意見をいう。
     決まったら従がうが、意に沿わないことに協力的でない→男性に嫌われる。
     
〇 男性からのみに誘われる。→自分の分はかならず払う。
  誘われたら、いっしょに行くが割り勘にする。断られたら、こっそりポケットにいれておく。
  そこまで嫌がる男性はいない。負担がないことで、次にまた誘われやすくなる。

〇 働く女性に言いたいこと
  積極的に手を上げて、チャレンジしてほしい
 今やっている仕事を部内で一番上手になろう。
 ひとつのことでいいから、他人に負けないものをもつこと。

 
<質問>
○ 相手の立場に立ち続けるということ、どんな風に

山口:一生懸命相手を観察した。男性がこういう問題に直面したときにどう対応するのか、怒る
    のか、抱え込むのかなど。上司も観察した。上司が怒ると部下がどう反応するのかも
    観察した。
     自分の感情を直接伝えるのではなく、相手の感情を考えて対応を考える。  

○ セブンイレブンが鹿児島で急激に拡大しているが、鹿児島の素材は使っておらず、
  地場のお店で倒産するところもでている。鹿児島の商品は入れないのか。

山口:競争は食うか食われるか、まずは全国で一番売れるものを投入している。進出してまだ
    2年しかたっておらず、商品開発の余裕がない。
     ただし、セブンイレブン自体は地産池消に力をいれており、将来的には3割まで地場
    産のものを増やす。県と協定を結んで、地域の製品を使ったおにぎりを作るなど。
    生産者(農家、漁師、漁協等)と提携して弁当を開発したりもしている。

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